- 浅煎り
コロンビア エル・ディビソ シドラ ファーメンテッドナチュラル
COLOMBIA EL DIVISO SIDRA FERMENTED NATURAL
このロットに用いられたのは、シドラ種と、独自の工程を組み合わせたファーメンテッドナチュラル。品種が持つ個性を生かしながら、発酵の管理によって新たな風味の表現を目指した、エル・ディビソの取り組みが感じられるロットです。
| 生産地 | コロンビア |
|---|---|
| 地域 | ウィラ |
| 標高 | 1,750-1,850 m |
| 品種 | シドラ |
| プロセス | FERMENTED NATURAL (TROPICAL FRUTIS FORWARD LUSH) |
ABOUT
エル・ディビソ農園が位置するブルセラスは、コロンビア南部ウイラ県のピタリト地域にあります。標高1,750-1,850mの高地に広がるこの地域では、日中と夜間の気温差がコーヒーチェリーの成熟に関わり、栽培環境の違いが豆の個性を形づくる要素の一つとなっています。農園の歴史は、ホセ・ウリベ・ラッソ氏が約25年前に開墾したことから始まります。当初はカスティージョやカトゥーラといった品種を中心に栽培し、ウォッシュド精製によってコーヒーを生産していました。その後、息子のネストル・ラッソ氏とアドリアン・ラッソ氏が農園運営に加わり、品種の選定や精製技術に新たな視点を取り入れていきます。
VARIETALS
シドラシドラは、近年のスペシャルティコーヒーシーンで注目を集める品種の一つです。エクアドルで広く知られるようになり、競技会や高品質コーヒーの分野でも、その個性的な風味が評価されてきました。コーヒーの品種は、産地や栽培環境とともに、風味の方向性を左右する重要な要素です。
シドラの魅力を引き出すには、品種そのものの特性を理解するだけでなく、栽培環境や収穫後の処理を含めて考える必要があります。とりわけ精密な発酵技術は、原料となるチェリーの状態や工程の管理によって、最終的な風味の表現に違いをもたらします。
今回のロットでは、シドラをファーメンテッドナチュラルで仕上げることで、品種の選定と精製の組み合わせから生まれる可能性を追求しています。品種の個性を一つの固定された特徴として捉えるのではなく、生産者の技術によってどのように表現できるのか。その探求も、このコーヒーを知るうえでの大切な視点です。
PROCESS
トロピカルフルーツフォワードラッシュファーメンテッドナチュラルは、コーヒーチェリーの果肉を付けたまま乾燥させるナチュラル精製を基礎に、発酵の管理を組み合わせた方法です。チェリーや果肉に由来する成分が生豆の風味形成に関わるため、収穫後の処理はコーヒーの個性を左右する重要な工程となります。
今回の精製方法「トロピカルフルーツフォワードラッシュ」では、完熟チェリーの選別から始まり、好気性発酵と嫌気性発酵を段階的に組み合わせています。発酵の温度や時間を管理しながら工程を進め、さらにモスト(コーヒーチェリー由来の果汁)を用いた浸漬発酵を実施。発酵の進行を丁寧にコントロールする設計です。
発酵工程の後には、温水による熱処理と冷却を行い、微生物の活動を抑えます。乾燥も複数の温度帯と時間に分けて進め、水分量を段階的に調整。発酵を進めるだけでなく、その後の処理まで細かく管理することが、このロットの品質設計を支えています。
ROASTER'S COMMENT
エル・ディビソ農園の取り組みで印象的なのは、品種の選定と精製技術を切り離さず、双方から品質を追求していることです。シドラという品種を選ぶことは、素材の個性を見極めること。そして、その個性をどのように表現するかを考えることが、収穫後の精製工程につながっていきます。今回のロットでは、発酵の温度や時間、熱処理、乾燥までを段階的に設計しています。自然に委ねる部分と、人の手で管理する部分。そのバランスを探りながら、コーヒーが持つ可能性を丁寧に引き出そうとする姿勢が見えてきます。品種の選択から精製の細部に至るまで、生産者の判断が積み重なって生まれる一つのロット。エル・ディビソ農園が取り組む、栽培と精製の新たな可能性に触れていただければと思います。(グリーンバイヤー/ 佐藤)