- 中深煎り
タンザニア アカシアヒルズ ケント
Tanzania Acacia Hills Kent
アップルやシトラスを思わせる穏やかな果実感に、プルーンのような厚み。糖蜜の甘さとアーモンドの香ばしさが、心地よい余韻へと続きます。毎日のコーヒーとして取り入れやすく、朝食や食後のひとときはもちろん、チョコレートや焼き菓子とのペアリングもおすすめです。
| 生産地 | タンザニア |
|---|---|
| 農園 | アカシアヒルズ農園 |
| 地域 | オルデア二 |
| 標高 | 1,800~1,950m |
| 品種 | ケント |
| プロセス | ウォッシュド |
ABOUT
タンザニア北部・カラトゥ地区にあるアカシアヒルズ農園は、世界中のロースターから高い評価を集める名門農園です。レオン・クリスティアナキス氏とアイディーン・クリスティアナキス氏が、この土地のポテンシャルを丁寧な栽培と精製によって引き出し、タンザニアのスペシャルティコーヒーの新たな魅力を世界へ届けています。今回ご紹介するのは、この農園で育てられたKentによるウォッシュドロットです。長年培われた栽培技術と精密な品質管理によって、品種や土地の個性を素直に映し出すクリーンな味わいに仕上げられています。私たちが惹かれたのは、名門農園が長年積み重ねてきた品質への姿勢と、この土地だからこそ生まれる素直な個性でした。タンザニアの新たな魅力を感じられるロットとして、このコーヒーを選びました。
VARIETALS
ケントケント(Kent)は、ティピカ(Typica)をルーツに持ち、20世紀初頭にインドで選抜された歴史ある品種です。高温多湿な環境で課題となるコーヒーさび病への耐性と、生産性を兼ね備えることを目的に選抜され、現在も世界各地で栽培されています。
その特徴は、病害への耐性を備えながら、効率よく果実を実らせる安定した樹勢にあります。長い年月をかけて環境に適応する中で育まれたその特性は、品質と生産性の両立を支え、多くの生産地で栽培が続けられてきた理由の一つです。近年は希少品種に注目が集まる一方で、ケントのような伝統品種が持つ価値も改めて見直されています。テロワールをまっすぐ映し出す品種だからこそ、土地の個性や栽培技術が味わいに反映されます。。
PROCESS
ウォッシュドプロセス収穫された完熟チェリーは、収穫から10時間以内に飲料水品質の湧水で洗浄・選別され、ドラム式パルパーで果肉を除去します。その後は屋根付きのタンクで36〜40時間のウォッシュド・ファーメンテーション(乾式発酵)を行い、ミューシレージ(粘着質)の状態や香りを確認しながら発酵を見極めます。発酵後はウォッシングチャンネルで丁寧に洗浄し、比重選別によって品質ごとにグレーディングを実施。乾燥は最低15日以上かけるスロードライングを採用し、攪拌を繰り返しながら含水率11〜12%までゆっくり整えていきます。乾燥後はコンディションビンで状態を安定させ、モシにあるドライミルまで気密性の高いバッグで輸送されます。工程全体を通して徹底されているのは、素材本来の透明感を損なわず、テロワールをそのままカップへ届けるための品質管理です。
ROASTER'S COMMENT
私たちがこのロットを選んだ理由は、土地と品種、それぞれの個性が素直に感じられたことでした。カッピングでは、明るい果実感としっかりとした甘さ、透明感のある質感のバランスが印象的で、この素材なら焙煎によって幅広い表情を引き出せると感じました。その背景には、若い火山性土壌が育むテロワールと、環境への適応を重ねてきたケントという品種、そして品質を支える丁寧なウォッシュドプロセスがあります。それぞれが無理なく重なり合うことで、このロットならではの素直で奥行きのある個性が形づくられています。このロットでは、その魅力を日々の暮らしの中でも楽しめるよう、深煎りに仕上げました。果実の印象や甘さのバランスを大切にしながら、食事やスイーツにも寄り添う味わいを目指しています。
朝の時間から、食後のひとときまで。さまざまな時間や食卓に自然となじみながら、この土地とつくり手が育んだ個性が、日々の暮らしにそっと寄り添ってくれることを願っています。(グリーンバイヤー/ 佐藤)