- 浅煎り
ホンジュラス ラ・ラハ
Honduras La Laja
白い花の香り、アップルやトロピカルフルーツのようなみずみずしい風味、メープルシロップの余韻。やわらかな甘さの中に、標高1800mの空気を思わせる清らかさが息づきます。
| 生産地 | ホンジュラス |
|---|---|
| 農園 | ラ・ラハ |
| 地域 | インティブカ |
| 標高 | 1,800 m |
| 品種 | ティピカ |
| プロセス | ウォッシュド |
ABOUT
ホンジュラス西部、インティブカ県サン・フアニージョ地区。標高1,800mに位置するラ・ラハ農園は、若き生産者ホセ・マンシア氏が2018年に父から土地を受け継ぎスタートした農園です。火山性の肥沃な土壌と熱帯高山性気候に恵まれ、ティピカやゲイシャ、SL28といった高品質品種を少量ずつ精密に管理。乾燥構造の改良や発酵制御を重ね、透明感のある酸と滑らかな口当たりを実現しています。師でもある輸出パートナー、ロニー・ガメス氏から受け継いだ精製とカッピングの技術が、カップのクリーンさを支えています。ホセの探求心と家族の情熱が重なり合い、ラ・ラハ農園のコーヒーはホンジュラスの新たな指標となりました。
VARIETALS
ティピカティピカ(Typica)は、アラビカ種の最古系統のひとつ。17世紀にイエメンから世界へ広がり、ラテンアメリカで最初に栽培された品種として知られています。高標高・冷涼な気候を好み、病害に弱く収量も少ない一方で、際立つのはその風味の繊細さと均整の取れた構造。まさに “クラシックの象徴” です。
ラ・ラハ農園のティピカは、長年地域で受け継がれてきた土地適応系統。明るいリンゴのような酸、白い花のアロマ、蜂蜜やメープルのような余韻。 ティピカをティピカたらしめるすべての条件が、インティブカのこの土地に揃っているのです。
PROCESS
ウォッシュド本ロットは、精緻なウォッシュドプロセスによってクリーンな味わいを生み出しています。
まず完熟チェリーのみを手摘みで収穫し、浮遊選別で未熟果を除去。果肉除去後に発酵・水洗を行い、ミューシレージと呼ばれる粘着質をていねいに取り除きます。 その後、ソーラードライヤーで約2週間かけてゆっくり乾燥させます。水分値が10〜12%に達するまで低温で乾かすことで、香気成分の揮発を防ぎ、まろやかな舌触りと透明感を両立させています。
その結果、ハーバルで爽やかなトップノート、アップルやトロピカルフルーツの果実感、そしてメープルのような甘さが調和する、極めてクリーンな味わいが実現しました。透明感と深みを併せ持つラ・ラハ農園のウォッシュドは、ホンジュラスの新しい洗練を感じさせます。
ROASTER'S COMMENT
ティピカという古典品種が、最新のスペシャルティ生産技術と出会い、再び輝きを放つ本ロット。ホセ・マンシアの挑戦が映し出すのは、“伝統”と“再解釈”の共存です。ホンジュラスが今、スペシャルティコーヒーの舞台で語ろうとしている、静かで芯のある物語に浸ってみませんか。(グリーンバイヤー/ 佐藤)