- 浅煎り
エチオピア ガルガリ・グティティ
ETHIOPIA Gargari Gutity
生産地 | エチオピア |
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農園 | ガルガリ・グティティ |
地域 | イルガチェフェ |
標高 | 1,900m |
品種 | エチオピア原種 |
プロセス | ウォッシュド |
ABOUT
ガルガリ・グティティ・ウォッシングステーションは、標高1,800〜2,000mの冷涼な高地に位置し、周辺の小規模農家から持ち込まれたチェリーを集約して、精密なウォッシュド処理を行っています。昼夜の寒暖差や乾燥期の晴天、火山性土壌による豊富なミネラル環境を活かすことで、果実の成熟と乾燥を安定的にコントロール。ハンドソーティングとカラーソーティングによる厳格な選別工程を経て、フローラルで透明感のある香り、明るい酸、そしてクリーンなカップを維持しています。
このウォッシングステーションは、地域のインフラとして零細農家の生活を支えながら、イルガチェフェらしいクラシックなウォッシュドコーヒーの品質を、世界へと届ける重要な役割を担っています。
VARIETALS
エチオピア原種ガルガリ・グティティで扱っている品種は、在来系統の「Heirloom」と、JARC研究所(エチオピア農業研究所)が選抜した改良系統を含む、多様な遺伝的背景を持つ集合体です。
Heirloomは、糖分(スクロース)5〜9%、脂質15〜17%といずれも高く、焙煎によってジャスミンやベルガモットを思わせるフローラルな香りや、明るい柑橘系の酸味、滑らかな口当たりが引き出されます。
さらに、リナロールやゲラニオールといった香気前駆体(フローラル香のもととなる化学成分)を多く含んでおり、焙煎時の香味形成に大きく寄与しています。
こうした多様性こそが、イルガチェフェの地域ごとの個性や、複雑で上品な風味を生み出す鍵となっているのです。
PROCESS
Washedウォッシュドプロセスは、チェリーを持ち込んだ後にフローテーションで未熟果をていねいに除去し、水槽で12〜24時間発酵を行います。この過程でミューシレージが分解され、雑味のない透明感が引き出されます。その後、清らかな水で繰り返し洗浄され、アフリカンベッドで10〜15日間かけて均一に乾燥。乾燥中は天候や気温に応じて被覆を調整し、ゆっくりと仕上げられます。
この精密なウォッシュド処理によって、明るく輪郭のある酸、シルキーな口当たり、フローラルで紅茶のような余韻が際立ちます。まさに「エチオピア・ウォッシュドの王道」と呼ぶにふさわしい仕上がりです。
ROASTER'S COMMENT
このロットを買い付けた一番の理由は、カッピングで感じた華やかさと透明感に心を惹かれたからです。「これは、よいコーヒーだな」と素直に思わせてくれるカップであり、同時に、私がバリスタを始めた頃に出会った、レモンやピーチのような風味を持つエチオピア・ウォッシュドの記憶を呼び起こしてくれました。今回も、100を超えるサンプルがカッピングテーブルに並びましたが、この銘柄はクリーンカップとエレガンスが際立っており、迷うことなく買い付けを決断。イルガチェフェらしいフローラルさとシトラス感がしっかりと表現されていて、派手な個性ではなく、むしろクラシックな魅力が際立っていました。
ここ数年、自分の理想とするエチオピアにはなかなか出会えず、前回の現地訪問では購入を見送ったほど。だからこそ今回、「ようやく探していた一杯に出会えた」という安心感と嬉しさがあります。
しっかりとした数量も確保できたので、多くのお客様にこのクラシックなイルガチェフェ・ウォッシュドの魅力を楽しんでいただけると思います。(グリーンバイヤー/ 佐藤)